「桃園の柱の穴より児の手の人を招くこと」
(ももぞののはしらのあなよりちごのてのひとをまねくこと)
お話はどんどん難しくなります。
大極の図についての解説
五行 木火土金水 についての解説
相生 相剋 についての解説
十二支 十干についての解説
四柱推命を少し勉強したことがありますが、その時にも出てきた言葉が、散りばめられています。
私が、それらを理解できていないということだけは、わかりました。。。
鬼門についての解説
山海経バージョンと晴明バージョン
大納言源高明(みなもとのたかあきら)の住まいである、
桃園邸で起きた不思議についてのお話。
「東南の柱の穴から児の手が出たこと
=東南の「木」の気の勢いを示す瑞兆」
と晴明は解釈し、丁寧な解説をつけてくれています。
が、同じお題を出されても、解ける気がしません。
源高明は、ある種の魅力をたたえて描かれています。
これから重要な人物として登場しそうです。
ここまでが、晴明が予測していた流れ。
この先は、晴明が予期していなかったことが起きます。
桃園邸の塚が崩れ、中から、棺(ひつぎ)のようなものが現れます。
その棺を開けると、中にいたのは死んだはずの白比丘尼でした。
さらにそれが皆の見ている前で、消えてしまいます。
目撃していた者は、皆大騒ぎします。
それぞれの次元で、この怪異について解釈します。
晴明の解釈は、
「源高明ほか、かかわりのある人への啓示である
同時に、
自分への(神からの)啓示である」
その啓示に対応するには、今の自分では無理だということ
晴明自身が、自分をバージョンアップさせる作業が、はじまります。
「源博雅 朱雀門の前に遊びて 鬼の笛を得ること」
楽が大好きな博雅が、この世のものとは思えぬ美しい音を奏でる
笛の吹き手と出会います。
どうも、人ではないよう。
そして、お互いの笛を交換します。
並行して進むお話で、
三条の堀川橋に立つ人ではなさそうな女性が、
「牛車で橋を通らないでほしい 橋の架け替えを7日ほど待ってほしい」と願います。
それを断ると、炎で燃やされるというお話。
博雅は、交換した葉二(はふたつ)という笛を吹きながら、
三条堀川橋を渡ります。
すると、いつまで経っても橋を渡り終えることができなくなります。
しょうがないので、博雅が橋を下りると、
そこに晴明がいて、種明かしをしてくれます。
~この巻の極意集~
五行について理解した方が、世界は広がる
博雅の奏でる笛は、物精(ぶっしょう)を助けもするが、惹きつけもする
から 気をつけなくてはいけない
(晴明が)
懇切丁寧(こんせつていねい)に
「艮(うしとら)」がいかに
神聖な方位か
説いたところで
それを理解する者は少ない
皆は「艮」に
鬼だの悪霊だの
次元の低い世界を結びつけたがる
その方が
理解(わか)りやすいのだものな・・・
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それぞれ人は、自分に応じた課題に向き合っていると思いました。
ヒントはバラバラに与えられるが、
どう解釈するかは、本人に任せられている。
進化のために、パズルを組み合わせる選択もあれば、
進化しないために、パズルを放置する選択もある。
何でも知っていて、能力にあふれていて、頭がよくても、
それを進化することに用いるか、
進化を拒否することに用いるかで、
結果は異なるものになります。
晴明が進化を選ぶ姿を見ることができるのは、勉強になります。
(最終更新日2022年2月7日)