大きな流れでクライマックスに向かっていくので、
この先は、すべてがネタバレになります。
「安倍晴明 天の川に行きて雨を祈ること」
(あべのせいめい あまのがわにゆきてあめをいのること)
都に雨が降らず、皆困っています。
雨乞いをしても、なかなか降りません。
陰陽寮や東寺の長者が召されて、雨乞いを行います。
いくにちも続くその雨乞いのための祈りのなかを、
晴明は博雅と共に、
帝の許しを得た上で、
雨を降らせるための旅に出ます。
鵜の瀬の鳥居
御所の雨乞いの場所(陰陽寮の上司にお願いして)
天徳寺(てんとくじ)
鵜ノ瀬(うのせ)
貴船神社(きぶねじんじゃ)
龍穴神社(りゅうけつじんじゃ)
丹生川上(にうかわかみ)
天河神社(てんかわじんじゃ)
を次々と巡り、祈りを捧げて、つないでいきます。
その祈りに対して、雨が降るという答えがかえります。
~この巻の極意集~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
人の魂というものは
それぞれ光をはなっていてな・・・
だからそのうつわである体もな
衣を纏(まと)うように
その光を纏(まと)っているのよ
その光はその人の所有するもの
触れたものすべてに帯びる
だから坐(ざ)していた場
歩いた筋(すじ)にそれが残るのさ
特殊な色の光であるとか
強烈な光の持ち主に限るな
もっとも跡の残るような者は
そうはおらんよ
問題は どのようにして雨を降らせるかではなくて
どういう雨を降らせるかなのだ
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龍神が飛び、
棚機津女(たなばたつめ)は、魂の記録を織り、
豊宇気毘賣(とゆけひめ)、、天地一切の水を司る水徳神として称える。
多くの存在との対話をしていく晴明が、頼もしいです。
真葛(まくず)がかわいい。
きちんと家を守っています。
兄弟子との確執という、
普通の人が通る悩みが晴明にあるのも、
なんだか親近感がわきます。
晴明がとても、ストイックなことと、
誰かのために生きているようでいて、
その行動そのものが、結果的に
自分自身の癒やしにつながっていることは、わかりました。
あと、晴明が、誰よりも高い存在とアクセスしたいと
願っていることもわかりました。
願うのは大切です。
(最終更新日2022年2月13日)