大きな目次は、相変わらず難しくて書き写せないので、
小さな目次のみ書きます。
- 復活
(ふくくわつ)
相変わらず生まれた子どもに、英才教育をする晴明。
何かが起きる予感を、晴明も真葛も、感じています。
だから、子どもへの教育を急いでいるのかもしれないです。
- 嵐
(あらし)
第四巻で亡くなったはずの白比丘尼の姿をした存在が、
海の中から現れます。
それを出迎える智徳。
これから都に向かうから、支度をするように、と言います。
とにかく力のある存在で、怖いです。
つまらない質問は即、却下されそう。
大雨で皆が困っています。
その中を、流行病(はやりやまい)を封じてあるく
「道満(どうまん)と白比丘尼」と呼ばれる存在たち。
彼らは、宮中に呼ばれるために、そのように振る舞っているようです。
~この巻の極意集 その1~
源は尽きることはないし
藤もひとりで立つことはないのだが
(源高明と藤原兼家の、水面下の争いに対する晴明自身の感想)
どうしたことだろう
はるか遠方から・・・
長い間待っていたたよりが
届いたような気がするのだよ・・・
今、
ゆく、
という・・・
逃げ場は何処にも無いな・・・
どの時間にも
どの場所にも
どの宇宙にも
~~~~~~
- 白比丘尼
(しらびくに)
都のあちこちで、問題が起きています。
それは、どこに原因があるのか、明確には語られませんが、
道満と白比丘尼が、関係しているようです。
一方、
晴明は都が未完成であることに気がつき、
自分が完成に向けて
何かをなさなくてはいけないと思います。
事の重大さに、難しさに、頭を抱えます。
答えは、簡単に見つかる種類のものではないから。
- 参道と臍 束ねられた立花
(ネイブとネイブル たばねられたはしら)
ツタンカーメンとアンケセナーメのお話だと思いました。
当時はうまく完成させることができなかった何か。
今回はできるのか?
晴明は覚悟を決めて、自分のできうる限りの事を行おうとします。
- 博雅晴明
(はくがせいめい)
博雅は、六角堂にいる道満という法師に、会いに行きます。
そこで、出会ったのは、白比丘尼の姿をした存在で、
しかも博雅の見ている前で、消えてしまいました。
この先が、とても好きなところ。
博雅は、目撃したことを、晴明に言うことを、
ためらいながらも止めます。
博雅は、
他者のプロセスと役割を、潜在能力を、信頼すること、
が、できるからです。
つい、よけいなお節介を焼いてしまいますが、
それは問題を複雑化させてしまうことの方が、多いです。
- 星を捕らへるもの
(アストロラーボン)
晴明が帝に出した奏上文は、帝から退けられました。
つまり、それが、天の意思ということです。
晴明が望んだことでも、かなわないことはかなわない。
アレキサンドリアのヒュパティアも、登場します。
~この巻の極意集 その2~
まずはな
すべての事象には
意志があるのをな
感じるのだ
現象は皆
有機的であり
自然界に起る
事件は
それが彼らの言葉だ
そうやって語りかけてくるのだ
我々はそれを翻訳(ほんやく)する
そして占うことによって
天と一つになっていることが
王たる帝の条件なのだ
~~~~~~~~~
- 射覆
(せきふ)
都の完成のための秘密を、子孫のために書き残した晴明。
帝の前で、
箱の中身をあてる射覆(せきふ)をするために、
御所に出かけます。
ところが、都の秘密を自分だけで抱えた状態では、
帝や道満が待つ場所に進めなくなってしまい、足止めをくらいます。
博雅と保憲に、
自分が気がついて隠していた都の秘密を渡して、
都の完成を依頼します。
そうして、
自分自身が丸裸になって初めて、道満の待つ場所へ行けます。
自分自身の保身を考えたり、
万一失敗したときのための保険をかけることは、
ダメというのが、
このときの根源からのお題だったようです。
晴明は
射覆(せきふ)の場所について、
初めて道満のいる場所を見たときに、
白比丘尼と法師智徳を見つけて、
根源が自分を試していること
博雅が白比丘尼を既に見ていたのに、
自分に対してそのことを黙っていたこと、
を知ります。
情報の大渋滞です。
続きは、第十三巻で。
(最終更新日2022年2月9日)