大きな目次は、相変わらず難しくて書き写せないので、
小さな目次のみ書きます。
十二巻の最後くらいから、読み進めるごとに、
世界が変わっていく、次元が上がっていく感じがします。
描かれている絵の美しさは、たとえようもないほど。
- 非時香菓
(トキジクノカクノコノミ)
帝と大勢の貴族の前で、箱の中身を当てさせられる晴明です。
皆に見えている光景とは、別の世界が、道満と晴明の二人には見えています。
この描写がとても好きです。
そして、根源から答えの簡単に見つからない問題を出されます。
返答次第で、
都の完成は遅れ、自分の未来がつぶれるような問題です。
根源って、本当に厳しいと思います。
甘さがみじんもないです。
甘さを求めると、むしろ
根源から遠ざかってしまうのでしょう。
- 玄牝
(ハトホル)
射覆(あてもの)の褒美(ほうび)として、
帝から
「建禮門(けんれいもん)からの参内(さんだい)」
の約束を取り付けて、
晴明の答えに対して、少しの時間の猶予を与えて、
道満は御所を去っていきます。
世間的には、晴明の評判は地に落ちてしまいます。
晴明の胸には、大きなエネルギーの空洞が開けられています。
どこかで読んだ記憶があるのですが、
この胸の空洞は、「ハートを開く」準備にあたるそうです。
だとしたら、痛みがマックスなのも、理解できます。
- 血性夜行
(けつせいやぎよう)
どうしたらよいかわからないながらも、
「すべてのものへの祝福」という手がかりだけをつかんで、
晴明は帰宅します。
「闇を管轄(かんかつ)する晴明」も、
初めて読んだときは、わけがわかりませんでした。
今は、深く闇を知り、闇を従えるほどになることと、
根源につかえる力を持つことは、セットなのだと思うようになりました。
- 禱
(たう)
晴明の家の結界が破られて、賊(ぞく)に侵入されてしまいます。
この描写も大好きです。
白比丘尼の姿をした存在は、何でもできます。
不可能はありません。
晴明自身の、わずかな隙(すき)も見逃さずに、つぶしに来ます。
- 不滅
(イモオタル)
智徳が、白比丘尼を助ける姿に感動しました。
この巻で一番好きな場所と言ってもいいくらい、好きです。
なんの見返りも求めず、ただ純粋に助けたいという思いで助ける姿。
その姿勢に対して、白比丘尼と同行する機会が与えられます。
~この巻の極意集~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あらゆる穢(けが)れを
薙(な)ぎ倒(たお)す
この凄(すさ)まじい
銀紫(ぎんし)の波・・・
よろしい
私は
あなたの
行いの
結果である
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自分の選択に対する答えが、
常に与えられるのが、
神 であり、
世界 です。
自分次第で視える世界は、変わります。
それは、真の恩寵(おんちょう)です。
- 時空の門
(ポオタル)
エジプトと京都の、門がつながるというテーマだと思いました。
個人的には、ありだと思って読み進めます。
ポイントは、晴明一人では無理だということです。
博雅や保憲の力を合わせることが必要で、
都の完成のための助力を依頼する
相手を信頼することが必要だったと解釈しました。
- 道満晴明
(コンジャクション)
- 神婚
(しんこん)
行うべきことを行った晴明に対して与えられたのは、
道満との一体化でした。
人としては、一度、消えてしまいます。
驚きました!
- 術
(わざ)
真葛が、晴明を探して、やっと見つけます。
なんとか連れ戻ろうとして、苦心します。
最後は、
自分を必要として愛してくれる人の思いの強さ
によるのかなと、
ぼんやり考えました。
- 還世
(イシスの手)
- 結
(むすぶ)
- 露
(あらはれる)
この先は、予想外の展開の連続です。
美しい世界が、ほんのひとことを間違わずに言うことでのみ、
見ることができているという奇跡です。
今回の課題をクリアすることで、
過去の転生の未解決の問題も、クリアできます。
すべての転生が、書き換えられる可能性がある、
ということは、このうえない喜びです。
(最終更新日2022年3月4日)