カッサンドラは、
アポロンがいずれ去って行くと予知したときも、
(自分に愛をささやくアポロンが、本物だと信じられるならば)
アポロンを愛してみればよかったのでは
とも、思います。
他人だからそう言えるのかもしれないけれど。
神と愛し合った後に、別れたとしても、
何か形にならないものが残ることもあるし。
未来は、そうなってみないとわからない。
傷つくことに対する恐れと
今、目の前の存在を愛することの
どちらを選ぶか
というお題でもあります。
愛と恐れの二択です。
傷つかないでいる自分を愛するという選択をしたとも、言えます。
アポロンの愛を拒絶したときには、予測しなかったことで、
この後傷つくことになるとは、知らないから。
最後、カッサンドラは、
トロイアが滅び、
戦利品として、敵の総大将のものとなり、
その総大将と共に、その王妃に殺されてしまいます。
そのことも、予知できるのが悲しいです。
(最終更新日2022年1月17日)